今月の月刊「地理」(9月号)
いきなり表紙に確率論的地震動予測地図の試作版(地域限定-西日本)が図示されている。この地図は一度新聞に小さく取り上げられたが、私の頭に深く刻み込まれていた地図である。なぜなら、この地図によれば、近畿でも私の住むちいきが、比較的地震の心配のない地域だからだ。とくに「今後30年以内に3%の確率で一定の震度以上の揺れに見まわれる領域」という地図では、但東町のほぼ全域が震度5弱と近畿で最もレベルの低い地域となっている。丹後半島から、山陰を経て長崎に至る地域が西日本で最も地震の心配の低い地域である。このことは、もっと取り上げられてもよい。この地図へのリンクを下に掲げておく。
というわけで、特集は地震のハザードマップである。地震というくくりがあるが地震に限らずハザードマップについて概観するにはよい特集だ。
で、この雑誌で一番ガツンと来たのは、「地理的プロファイリング」という本について、大阪市大の山崎孝史さんが書いた書評だ。この本は、犯罪捜査にGISを活用しようという本で、これも十分そそる本ではあるが、山崎さんは「この手法は、地域差別や容疑者の人権侵害の可能性といった点で問題がないとは言えない」と書いている。GISと地域差別というのは、実際の所、本質的に切り離せないほど関連が大きいのかもしれない。なるほどなぁ。目からうろこ。
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