エタノールを燃料に使う場合のやり方は2つあって、一つは今回大々的に始まったETBEとして添加剤的に使う方法で、もう一つは、単純にエタノールをガソリンに混ぜる方法です。ETBEは添加剤のようなものなので、今回の3%混入が限界のようです。エタノールそのものをガソリンに混ぜる方法では、エンジンの調整も必要ですが、100%エタノールまで可能で、ブラジルあたりでは100%がありたりまえのようで、今年からアメリカのインディーというカーレースでは規定でエタノール100%が義務付けられました。ま、このカーレースはエンジンはホンダのエンジンを使うことになっており、最近エタノールが得意のホンダならではの規定かもしれません。
さてさて、大阪で建築廃材からエタノールを作るというプラントが動き出し、産廃からエタノールという環境にも経営にもやさしいプラントとして動き出しました。しかし、ここは供給開始できそうもありません。ここのエタノールは単純にガソリンに混ぜて使う方法(農水省・環境省方式)を取ることになっているのですが、石油元売が協力を拒否しているからです。
つまり、石油元売としては3%しか混ぜられないETBE混入方式(経済産業省方式)を既成事実にして、将来的にガソリンの消費を97%は確保しようという戦略のようです。しかも、ETBEを輸入することによってETBEの取り扱いも将来的に独占的にやろうということもありそうです。つまり、バイオガソリンもうちにまかせなさいと・・・
新聞等ではエタノールがカーボンニュートラル(燃やしてもCO2を増やすことにはならない)であるように書かれていますが、エタノール製造に伴って発生するCO2の量などを計算にいれるとどうなるのかはよくわからないところもあります。ここのところがきっちりと解明されてエタノールが環境にやさしいことが証明されれば、木材とか藁とかからエタノールを作って3%にこだわらずにたくさんガソリンに混ぜられればいいのですが、いまんとこ、海のものとも山のものともわからないのがエタノールというところでしょう。
個人的には、石油元売の戦略が見え隠れするETBEは嫌いです。
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