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2007/11/21

バイオエタノール混合ガソリンE3の販売

 旧聞ではあるが、10月9日、大阪でバイオエタノールをそのまま3%ガソリンに混入したガソリン(E3ガソリン)の販売が始まった。すでに、東京ではエタノールをETBEとして配合したガソリンが一部ガソリンスタンドで始まっている。
 このE3ガソリンとETBEガソリンは似て非なるものなのである。E3ガソリンは、上述のとおりガソリンにそのままエタノールを混合したものであるが、ETBEとはエタノールをガソリン添加剤という形に変えたものである。ETBEは添加剤であるため、現状の混入率(エタノール3%相当)以上に混入できないが、エタノールをそのまま混ぜるほうでは、いくらでもエタノールの混入率を増やすことができ、最高はエタノール100%としてもクルマ側が対応していればOKで、現にブラジルではE100燃料が使われている。ただし、揮発油品質確保法の制約により日本では法的に3%が上限となる。

 今回のE3とETBEは、他の面でも対照的で、今回のE3は大阪と岡山で作られた建築廃棄物起源のエタノールを用いているのに対し、ETBEは(すくなくとも積極的には)起源が明らかにされていないヨーロッパで製造されたETBTを輸入して使っている。ETBEが使われ始めた頃に、食品にもなるものを材料にエタノールを作ってクルマを走らせることについての議論がなされたが、今回の大阪のE3については、建築廃棄物起源ということで、このような議論をする必要もなかろう。

 また、ETBEは産業経済省主導で石油元売が中心となってやっているのに対し、E3は農林水産省主導で石油業界意外が中心となっていることも大きなちがいだ。石油元売はE3の品質に対して懐疑的で、エタノールはETBEのかたちで使うべきといっている。大阪府は「エタノールとガソリンを混合するのは流通段階ではなく、製造段階で精製会社が行っており、必要な品質は確保されている」と反論しているようだが、実はE3燃料は品質面で泣き所とでも言うべき欠点を持っている。

 ガソリンの水抜き剤というのがあってガソリンスタンドでも売られている。これは、ガソリンタンク内に結露などによって入りこんだ水をガソリンと混ざり易くしてガソリンとともにエンジンに排出させてしまおうというもので、中身的にはアルコールを中心とした成分である。つまり、ガソリンにアルコールそのままのかたちでを混入すると水がガソリンに混ざるようになるのである。

 空気中には湿気がある。アルコールを混ぜたガソリンは放っておくと空気中の湿気を吸って水分を吸ってしまう。ガソリンに混ざった水はいろいろなところを錆びさせる原因となりかねないので、クルマ側にもその対策が必要となる。これは、クルマに対策を施さなければならないということもあるけれど、アルコール混入ガソリンは保存が効きにくいということにもなるわけで、まあ、言ってしまえば、放っておくと湿るのである。これは、アルコールをそのまま混入することの最大の弱点なのだが、クルマ側の対策を行うことは可能であり、前述のとおりブラジルでエタノール100%の燃料でクルマが走っている。こういうこともあって、今回の大阪のE3は登録された107台の車両を対象とした実証事業となっている。

 ETBEにはこの心配がないのだけれど、石油元売側は自らの利権確保もあり、この点を今後も攻撃してくるはずだ。しかし、国内で作られた材料のはっきりしているエタノールをそのまま混ぜるE3は、建築廃材を材料にしているということと、法的な措置を行えばクルマ側の対応でいくらでも混合率を増やせることの2点で優っているのではないかと、私は考えている。

 それにしても、今回の2タイプのエタノールガソリンが東のETBE、西のE3という形で始まったことも、なにやら面白いものがある。

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