「ごみ」を持って帰る話
似て非なる2本の記事ではあるが、この2本がそろって、気になって仕方がないので、メモしておくこととした。
これが気になる原因はつぎの3点だろう
・対象物が、ゴミのようであり有価物のようである点
・持って帰った人は、ゴミだろうけれど、自分にとっては価値があると考えた点
・持って帰られた人は、有価物を失ったと考えた点
最終的には、それがゴミなのか有価物なのかをどう見分けるのかという点だろう。古新聞のほうは、最終的に区の条例で、「ゴミを集積所から持って帰らないでね」という規定があり、これが裁判判断の決め手になったようだ。ま、この条例は「集積所にある『ごみ』は有価物だよ」というのとほぼ同義なのかもしれない。
木材のほうは、船が沈んで積荷が漂着したというものだが、行政側は、持ち主があるんだしという主張のようだ。持ち主がどういうかわからんが、とりあえず持って帰るのはケシカランという話。ま、この辺りも木材(製材)は有価物だよという前提での話だ。場所が千里浜ドライブウェイだったので、交通の支障となるため行政で片付けて集積していたというから、お持ち帰りしやすい状況だったんだろうな。一般に、木材の漂着については、片付けるのが大変という報道が過去になされたこともあり、持って帰ったほうも、それならやっぱりゴミなんだろうという意識があったかも。
PTAとかの資金稼ぎのための「ごみ回収」も最近は「資源回収」と言わなければならないらしいし、「不用品バザー」も「有用品バザー」というわけの分かったようなわからないような言葉におきかえる動きがある。廃棄物か有価物かということに対して、なんとなくピリピリしているという状況にあるのだ。
古紙持ちかえりのほうについては、持ちかえられたことによる区の損失ってどれくらいなのかなという点が気になる。回収や運搬には当然、区が経費を持っているわけだし、その経費とペイできるくらいの販売収益があるのだろうか。確かに、パルプチップなどは、最近かなり値がよくなっているようだが、古紙もそれほど高騰しているのだろうか。もし、そうなら、古紙については、昔のように、古紙回収業者に任せたほうが区行政としては効率的なのではないだろうか。そもそも、行政が金を出して古紙回収を独占的にやっているというのが民業圧迫なのかもしれない。
漂着木材については、木材処分が占有離脱物横領になるおそれがあるという行政の判断により、持ち主が判明して、持ち主の判断が下されるまでとりあえず置いておこうという判断だったのだろうか。おそらく、乾燥材だろうし、海水に漬かっちゃってそのあと野ざらしにされた木材は持ち主が欲しがるとは思えない。そうなると、処分は行政でという事になろうが、そうなると、片付けの経費は、持ち主に請求されるのだろう。いや、ひょっとすると前述のとおりパルプチップがいいので、チップ材として出せば片付け代くらいは出るかも。あまりがでたら持ち主に返す?(笑)
ということで、両者とも紙の原料が値上がり気味というところに、なんとなく話が行ってしまう。
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