実感、「電車の混雑について」
ちょっとまえに、かの寺田寅彦が1922年に著わした「電車の混雑について」というエッセイとも論文ともつかない文章を、青空文庫のものをパピレスから無料ダウンロードして携帯で読んだ。「電車の混雑について」は、電車は少し遅れると遅れた分だけホームで待っている人が増え、そのために電車は更に遅れ、そのために更に混むという理論と、その混んだ電車の後に来る電車は空いていることが多いという仮説を、なんと数式を交えて推論し結論を導き出しているという、いかにも物理学者らしいエッセイである。
きょう、僕は神戸に行った。播磨新宮から姫新線で姫路に出て、姫路から新快速で神戸へというコースだったが、姫路につくと、乗る予定だった一つ前の新快速がまだ到着していない。寺田理論のとおり、ホームは人で満ち溢れている。ほどなく、新快速が到着すると、ホームの人はほとんどが乗りこんだ。当然、電車はかなりの混雑となる。で、私は時間の余裕もあったし、寺田理論を思い出して、一つ後の電車に乗ってみることにした。当初、乗る予定だった新快速は、定時より3分ほど遅れただけで到着し(つまり、一つ前の電車との時間間隔が結果的に短くなった)、ホームで待つ人はまばらで、この新快速は、恐ろしく空いていた。
おお、寺田寅彦は偉大だ、と実感したのである。
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