丹後半島民家シンポジウム「民家が語る里山の価値」に参加して
24日、みだしのシンポジウムに参加してきた。建築分野と森林分野のクロスオーバーに期待していたのだが、まったくそのとおりの内容で大変に満足して帰ってきた。
私が特に面白いと思ったのは、民家建築というのはもともとは、梁から下は大工の領域で、梁から上は地域の共同作業の領域であるというところだ。このことから、梁から下については、大工なりの材料の使い方というのがあるのだけれど、梁から上については、地域の特性と直結している。例示された物件では、垂木にコシアブラ、シデ、コナラなどの広葉樹が多用され、これは、地域の里山林の植生を反映している。
私は、但馬地域の民家探訪グループの民家探訪に参加しているが、うすうすこのことについては、感じていたことである。しかし、なかなか古い材の樹種の同定は難しく、感じていたことが立証できないでいたが、立証されるとなんかちょっとうれしい感じ。
しかし、カエデ類やリョウブなど、里山に多産する樹種で使われていないものもあるとこのことで、その理由として、曲がり方や強度などで使えなかったのではという話だったが、リョウブについては、それで納得できるのだけれど、カエデが使われなかったのは、それでは説明がつかないのではと感じた。積雪地帯では、あまり樹形が整わないということはあるのかなとは思ったけれど。
ま、こういう研究が森林総研でされているということで、ちょっと安心。今後とも頑張ってください。期待しています。
2009.6.16加筆
ここで紹介したのは、森林総合研究所関西支所の奥敬一さんの発表であったが、ほぼ同じ内容が、森林総合研究所関西支所研究情報 No.92に掲載されている。
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