ファミリーマートの木造店舗への取り組み
商売人のコンビニがなぜ木造に取り組んだかというと、それはコスト削減である。ここの文脈をきっちりと押さえて欲しい。コスト削減のため、木造店舗を標準設計化したということで、それは、鉄の高騰など外部の要因や、木造にすることで、基礎を安く上げることができるという木造の本質的な要因から、構造に木造を選んだということである。
手っ取り早く理解するにはこの写真を見てもらえばよい。
これは、千葉県で試験的に建設されたファミマの木造店舗。そう、概観はフツーだ。このノリだと、おそらく、内装にもモクは使われていないだろう。
さらに、ローソンが和歌山県の林業関係の圧力で建てさせられた木造店舗も見てもらおう。
概観はフツーではない。いかにも木造である。
この2枚の写真の大きな違いは、目的としての木造か手段としての木造かということだ。言うまでもなく、ファミマは手段として木造を選んだのであり、ローソンは目的として木造をさせられた。その違いが、この見てくれの違いになっている。
さらに、つっこんで一言言えば、木造は木造らしくすることにより、コスト高になっていないかということである。せっかく木造なんだからというのはよくわかる。しかし、そのことがコスト高になっているのではないだろうか。和歌山のローソンは、標準設計ではないから、きっと、建築士も気合入りまくりで、いかにも木造にしようと、こういう概観になったのだろう。それを否定するわけではないけれど、あくまで構造を木造でにこだわったファミマは、知らない人が見れば木造とはわからないような建築である。
林業という立場にある私から言えば、ファミマのほうが目指すべき方向かと思うのだけれどいかがだろうか。
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