神戸旧外国人居留地付近の近代化遺産
本日は神戸出張。昼休みに該当する時間に旧外国人居留地界隈を散策してきた。
まずは、旧居留地38番館。これは、旧ナショナルシティバンクオブニューヨーク神戸支店(のち大丸南1号館)。竣工1929年、改修1988年。設計:ウィリアム・メレル・ヴォーリズ/ヴォーリズ建築事務所。鉄骨鉄筋コンクリート造、地上3階、地下1階。外国人の設計だけあって、本格的に洋風だ。クロネコのトラックが写っていなければ、日本とは思えないカットだ。
38番館に隣接する旧大丸2号館(写真上)と3号館(写真下)。大正時代の建築で外装のみ当時のもの。
旧居留地15番館の近くに「展示」されている旧神戸外国人居留地下水渠(1872年ごろ)。れんがだ。使用されているれんがは断面が台形で、管の内側が薄く管の外側が厚いスペシャルなれんが。れんがの寸法は223.6mm×111.0mm×34.3~53.6mm(実測値。いくつか測定した平均)。1901年の鉄道の仕様書の寸法224.2mm×109.1mm×57.6mmに近い。当時のれんがの標準的寸法から派生したものだろう。
旧神戸居留地15番館。明治13年築のこの建物は居留地の唯一の遺構として重要文化財に指定されているが、震災で倒壊。平成10年に復原された。復原にあたっては免振構造が採用されたが、文化財としては初の採用とされる。
神港ビル。昭和14年竣工。設計:木下建築事務所。鉄骨鉄筋コンクリート造8階建。昭和14年ともなると、あまりうなれないというか、わりと普通の建物に見える。
神戸市立博物館(旧横浜正金銀行神戸支店)。1935年竣工。設計:桜井小太郎。とりあえず壮大、豪華。やはり、このころの上向きの国力か。
神戸朝日ビル。昭和9年。渡辺節建築事務所。おっと現豊岡市役所南庁舎別館の渡辺節。豪華。迫力。古さがない。っていうか、いま、こういう方向性の建築って無理じゃあと言う感じ。
四角い部分の角の処理は、豊岡市役所南庁舎別館と同じ感じ。って、誰か言ってたなぁ。神戸中尾さんか、但馬中尾さんか。
この手のガイドブックってありそうでない。大丸でもらった「神戸旧外国人居留地ご案内」(基本的にはショップ案内)というパンフレットで、とりあえず38番館と15番館の目星をつけて回った。
大きな地図で見る
A:旧居留地38番館
B:旧大丸2号館
C:旧大丸3号館
D:旧神戸外国人居留地下水渠
E:旧神戸居留地15番館
F:神港ビル
G:神戸市立博物館
H:神戸朝日ビル
« 神戸駅のネズミ | トップページ | 旧松尾寺駅舎改修 »
「建築」カテゴリの記事
- 木造体育館(2001.11.15)
- 木造体育館(2001.10.18)
- 豊岡の看板建築(2000.03.12)
- 陸軍福知山衛戍病院の基礎のれんが(2010.04.03)
- 大屋町和田の体育館(2010.03.19)
「近代化遺産」カテゴリの記事
- 舞鶴博奕崎で拾った蓋付き瓶、開封の儀(2016.05.08)
- また、葦谷砲台(2016.03.13)
- 舞鶴市佐波賀のベーハ小屋(2016.03.13)
- 葦谷砲台で見つけたびん(2016.03.06)
- 葦谷砲台(2016.03.06)
コメント