開業:1966年
休止:1974年
廃止:1979年
路線:姫路(仮)-大将軍-手柄山(1.6km)
写真:2009年2月11日撮影
わずか8年の営業で、営業不振に加え、システムを提供したロッキード社のモノレール部門撤退のため、部品供給がなくなったこともあり、休止、廃止となった。当初は、飾磨方面や、JR姫路駅乗り入れなどの構想があり、さらに北を目指し、日本海に達するという構想もあったらしい。そのため、ロッキード式という跨座式、鉄レール、鉄車輪のシステムをあえて用いた。鉄レール、鉄車輪のため、最高速度は160km/hといわれ長距離線には確かに有利であったろうが、現実にはわずか1.6kmの街中の営業線で、鉄レール、鉄車輪から生じる騒音・振動問題があったようである。
JR姫路駅から西向きに少し歩くと(地図A)、写真のような支柱が見えてくる。これが姫路駅側からの最初の遺構であるが、姫路(仮)駅はもう少し東、山陽百貨店新館のあたりにあったらしい。
さらに歩くと(地図B)レールが見えてきた。鉄製レールも残っている。
で、旧大将軍駅(地図C)。ほぼ当時のまま。いわゆる下駄履きマンションの下駄の上に駅があるという大変未来的な駅であったに違いない。マンションも手前はRがついているが、向こう半分は直線という大変挑発的な(?)設計である。いやぁ、すごい。(2016年7月現在で手前の道路上のモノレール高架は撤去済み。2016年8月から高尾アパート撤去工事開始予定)
大将軍駅を出ると、南にカーブして新幹線をくぐる。新幹線をくぐるところはかなりスレスレな感じ。
(2016年7月現在、新幹線をくぐる部分のモノレール高架は撤去済み)
新幹線をくぐる手前で、旧神戸日産農林工場(竣工:1931年)(地図D)の横を通る。近代化遺産とモノレールの対面である。間に川もあり、ちょっとした絶景。
2016年7月現在、神戸日産農林工場は取り壊し済みで駐車場になってる。このあたりのモノレール高架は現存。
手柄山側の最後のレール遺構(地図E)の遠望。冒頭の写真はこれを下から見たもの。左右にカーブしながら、上下にも動いている。ロッキード社がテストのためこのような線形にしたという伝説もある。
で、終着駅の旧手柄山駅(地図F)。トンネル形の閉ざされた部分が当時は開いていて、この中に駅があった。そして、この閉ざされた開口部の中には30数年眠り続けているモノレール車両が現存している。2011年に一般公開の計画がある。
さて、この手柄山駅であるが、一見れんが風で化粧れんが張りなんだろうけれど、使われているのはモノホンのれんが。テクスチャーもフランス積といっちょまえである。れんがのサイズは、実測平均 205.8mm×103.3mm×56.5mm。ちょっと小ぶりだが、まあ、JISかな。と思ったけれど、れんがって2W+α=Lでなければならないのに、このサイズだと2W>Lなので、これではイギリス積は組めないだろう。
ちなみに、旧神戸日産農林工場のれんがのサイズは、実測平均 221.0mm×105.1mm×58.9mm。これは、龍野でよく見られるれんがのサイズに近い。播州特有のサイズなのかもしれない。
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C:旧大将軍駅
D:旧神戸日産農林工場
F:旧手柄山駅
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