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2009/05/06

京都三条通界隈の近代化遺産(2009.5.5)

きのう、京都に行く機会があり、嫁はんと上の子(♀)は四条通へ買い物に行きたいというので、私と下の子(♂)は烏丸通から三条通経由で新京極へ抜けてそこから南下し寺町の電気街へいくというコースをたどることとした。念願の三条通である。

ちなみに、新風館、みずほ銀行京都支店、京都文化博物館は既報なので省略。

文椿(ふみつばき)ビルヂング(地図A)

Img_2332

所在地: 京都市中京区三条通烏丸西入御倉町79
竣工: 1920(大正9)年
設計: 不明
構造: 木造2階建
文化財指定: 登録有形文化財(建造物)

1920年に貿易会社の社屋として建設されたもの。現在は、京都ではよくあるパターンだが商業施設としてリニューアルして活用されている。木造にレンガタイル張り。小口積みのテクスチャーで目地の仕上げも覆輪目地で、東京駅や大阪の中央公会堂に通じるものがある。ま、当時のはやりのやり方なのかな。

Img_2330

南面(正面)の入り口は8角断面を半割した片蓋柱がある。同じく八角形の飾りはリニューアル時のものだろうが、もともとはどうだったのだろうか。

Img_2331

で、屋根はスレート葺き。やっぱりこれでないとね。もっとも下から見えにくい上部は銅版葺きとなっているが。なかなかいい感じの建物でした。

中京郵便局(地図B)

Img_2341

所在地: 京都市中京区三条通東洞院東入菱屋町30
竣工: 1902年(明治35年)
設計: 逓信省営繕課(吉井茂則、三橋四郎)
構造: れんが造
文化財指定: 京都市登録有形文化財, 景観重要建築物 (歴史的界隈景観地区)
一度は取り壊しが決まったもののその後ファザード保存されたいわくつきの建物。郵便局といえば、最近いろんな物件で取り壊しや保存の議論があるが、そういう事例の嚆矢であった。ま、残せばいいのかというもう少しひねりの入った議論もある。

辰野でないれんが建築。横縞を欠くところが識別点(笑)。

日本生命京都三条ビル(地図C)

Img_2349

所在地: 京都府京都市中京区
竣工: 大正3年/1914年
設計: 辰野片岡建築事務所
構造: 煉瓦造2階建,銅板葺
文化財指定: 登録有形文化財

れんがの辰野、石の片岡で、ま、これは片岡よりなのか。意匠面では辰野の幾何学的な意匠が生きているのか。これもファザード保存というが、左側にももう少しあったんだろうなぁと思うが実際はどうなんだろうか。これでぜんぶなのかなぁ。

SACRA(旧不動貯金銀行京都三条支店)(地図D)

Img_2355

所在地: 京都市中京区三条富小路西入ル
竣工: 大正4(1915)年12月
設計: 日本建築株式会社
構造: 煉瓦造り3階建て

関根要太郎の最初期の作品とされる。じっさいは比較的こじんまりした建物に重厚さをてんこ盛りしたという印象が強い。タイルのへっこんだ面をれんがタイルに読み替えるとと横縞があって実に辰野風になる。

電線の地中化をしたいなら、このあたりから手をつけていただきたいものである。

ダマシンカンバニー(旧・家邊徳時計店)(地図E)

Img_2359

所在地: 京都市中京区三条通富小路東入中野町27
竣工: 1890(明治23)年
設計: 不明
構造: 木造2階建
文化財指定: 登録有形文化財

三条通で一番貫禄がある建物かもしれない。だいたい設計が不詳というのは、ひょっとすると大工が見よう見まねでやったのかもしれないし、有名建築家の落書きかもしれない。なにせ、この楕円アーチというのが、こちらの立脚点を見失わせる。この楕円アーチのインパクトはすごい。

Img_2360

ところが、そのアーチの下にお約束の柱がないのである。この「スプリングライン」から上と下の別世界感はすごい。けっきょくは木造で木造の構造が内部にあるのだけれど、れんが造に見せておいてこのトリックはすごい。

それにしても、変な雰囲気の建物である。その変な雰囲気って言うのは国籍不明感なのかもしれない。しかも、扱っている衣料品がこれまた若干国籍不明的な衣料品だったりするから、総合的にミラクルワールドが作られているのであった。

旧毎日新聞社京都支局(地図F)

Img_2362

所在地: 京都府京都市中京区三条通御幸町東南角
竣工: 1928年
設計: 武田五一
構造: 鉄筋コンクリート造地上3階、地下1階

うわ、これも国籍不明感の強い建物。とくに星型バルコニーと星型窓に頭がくらくらしそうなほどのわけわからん感がただよう。毎日新聞の社章が星だといわれても、直ちには納得がいかない違和感がある。

改装時のカラーリングが悪乗りしているのかもしれないし、ワーゲンバスでものを売っていることも演出としては見逃せないのかも。戦前の日本がいちばん輝いていたかもしれない昭和3年(大恐慌は昭和4年)ってこんな感じだったのだろうか。


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コメント

電線邪魔ですよね。私もデジカメの画面覗いたときに、アカンて思いました。

三条で私が一番印象に残った建築はやはりダマシンカンパニーでした。
なんか廻りの秀作達に対して洗練度は低いが、エネルギッシュな感じ。

今、京都でよく見る「高松新建築」や関空特急ラピートもやった「若林建築」の元祖的なもの感じました。

京都って町家を連想しがちですけどこういうミラクルワールドも京都の見どころかなって思います。

ああ、吉村さん、書き込みありがとうございます。4月11日に京都から帰るときに美山まわりで帰りました。吉村さんの事務所はどこかなぁと思いながら走ったのですが、アタリもつけておらず、よーわかりませんでした。

やっぱりダマシンですか。名前からしてエスニック感あふれてますよね。

次は、疎水周りを見たいと思っています。

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