武生の近代化遺産(2009.6.14)
公会堂記念館(地図A)
区の農業系の研修旅行で武生(越前市)に行く機会を得た。食育フェア視察のタイミングを勝手に自由行動に変えて街歩き(街走り)をしてきた。まずは、ガイドブックにも載っている公会堂記念館。
竣工は昭和4年。平成7年に改修があり外観は保存された。国の登録文化財。
全体的には古い公共建築物らしく簡素な装飾だけれど、塔がすごい。昭和4年は世界的には大恐慌の年。その直前のプロジェクトなのだろう。
旧大井デパート(地図B)
(2009.6.16 修正加筆)
昭和6年12月竣工。と思ったのだけれど、「福井県史」を見ると、この建物は、昭和5年夏にマル井デパートとして竣工。しかし、マル井デパートは開業できずに、建物は呉服商大井藤助に引き受けられ、昭和6年12月大井デパートとして開業したということだ。現在はMODE大井ビルとして大井洋装店が営業している。福井県で2番目のデパートとのことだが、福井県最初のデパートは昭和3年7月に開業した福井市のだるま屋百貨店。3件目は大井デパートと同じ昭和6年12月の吉野屋百貨店ということになっている。昭和6年というのは、まだこういうデパートがありえたのだなというのが率直な感想。むしろ戦争に向けて景気は上向いていたのかな。とにかく見事な装飾が施された建物である。公会堂よりもこちらのほうが見ごたえがある。
ところで、だるま屋百貨店だけれどこのデパートが開業した昭和3年というのは、昭和2年の金融恐慌、昭和4年の世界恐慌にはさまれた年で、たいへんに「なんでもない年」という印象があるのだけれどどうなんだろうか。たしかに、景気は悪かったのだろうけれど、特筆すべきことがらがないような気がする。というわけで、福井で最初のデパートがオープンした年としっかりと刻まれた(笑)。
参考 「福井県史」通史第6巻
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