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2010年4月

2010/04/28

アツミカンアオイに関するメモ

但馬産のカンアオイについては、いままで、このブログではカンアオイ、あるいはカンアオイの変種のサンインカンアオイという名を使っていたが、最近、但馬産カンアオイをアツミカンアオイと称する向きがあることに気がついた。

但馬地域に生息するカンアオイを最初にアツミカンアオイとしたのは、武田久吉さんという植物学者で、サンインカンアオイがどうも未記載らしいということもあり、人と自然の博物館や神戸大学では、但馬地域に生息するカンアオイをアツミカンアオイとしている。

一方、但馬に産するカンアオイを種カンアオイの基亜種の変種サンインカンアオイであるという考え方は、アマチュアの植物やっているひと(山野草愛好者含む)や、昆虫系(とくにギフチョウ)をやっている人に広く受け入れられているが、このサンインカンアオイは学名を持つものの、記載が不確かで、未記載の可能性が高い。

サンインカンアオイが未記載であれば、アツミカンアオイであるとする方が合理的ではある。ただし、種カンアオイとサンインカンアオイは変種の関係だが、種カンアオイとアツミカンアオイは別種となる。

つまり、サンインカンアオイ説を採るのであれば、種カンアオイの変種なのだから「カンアオイ」と称するのはまちがいではないが、アツミカンアオイは種名でカンアオイとは別種なのだから、アツミカンアオイ説を採るのであれば「カンアオイ」という呼び方は許されず「アツミカンアオイ」と称さなければならない。

過去には、アツミカンアオイはカンアオイの亜種とされていた時期もあり、そのころならば、サンインカンアオイを採るよりアツミカンアオイという考え方はアリだっただろうが、アツミカンアオイがカンアオイと別種であるという現在では、若干、但馬産カンアオイをアツミカンアオイとするのは若干苦しいような気もする。

いずれにせよ、カンアオイ類の分類はかなりひずみが生じているということは否めず、大鉈を振るう再整理が待たれるところである。

2010/04/03

陸軍福知山衛戍病院の基礎のれんが

Img_0609

去年の8月の台風で福知山の伯耆丸公園の北東斜面が崩壊し、現在復旧工事が行われているが、工事の都合で一部に切通が設けられている(下の地図A)。きょう、マンドリンクラブ練習で伯耆丸にある勤労青少年ホームに行ったついでに切通を見てきたところ、陸軍福知山衛戍病院の基礎と思われるれんがが見られた。

Img_0608

衛戍病院の建物はべーさんのサイトから不許可転載するとこんな感じで木造である。

20081109084456

伯耆丸の麓にある医師会館の一部が衛戍病院の一部と見られているが(こちら)、その基礎はれんがである。

20081214c

というわけで、切通に見られるれんがは、衛戍病院の建物の基礎と見て間違いなさそうである。近代の建築とはいえ、それほどデータの蓄積もあるとはいえないのであるから、今回の工事に合わせて発掘調査が行われてもよかったのではないかと思う。


大きな地図で見る



2010.4.11 付記

2010.4.10、レンガの寸法を測定してみた。サンプル数が確保できないうえに、欠けているものが多く、また、手が届かないなど十分な測定はできなかった。とくに、長さはひとつも測定できなかった。

結果は、L:? W:104.5mm H:53.4mm。医師会館はL:222.6mm W:107.3mm H:55.0mmだった。なんとも言い難いが、まったく異なるというわけでもない。もう少し、寸法にあたれれるチャンスを狙ってみる。

2010/04/01

豊岡市江野のカンアオイ

Img_0590

2010年3月30日、豊岡市江野にて。

自宅周辺のカンアオイとずいぶん雰囲気が違う。葉っぱが柔らかそうに見えるとか、かなり大振りな感じとか、よーするに顔が違うとでもいおうか。そういえば、円山川左岸(西側)でカンアオイを見るのは始めて。ちょっと系統が異なるのかも知れない。

それと、今年は、自宅周辺ではアセビが全く咲いていないが、江野ではそこそこ咲いていたのも印象的だった。

カンアオイはAsarum nipponicum Fumio Maekawaであるが、当地に自生するものは基亜種の変種としてサンインカンアオイ Asarum nipponicum F. Maekawa ssp.nipponicum var.saninenseとされる。日本海側にはエチゼンカンアオイ A. nipponoicum var. echizen、ハルザキエチゼンカンアオイなどが生息されるとされ、分布の境界が由良川あたりにあると見られているようだ。このあたりの変種は、サンインカンアオイの変種名の著者名もよくわからず、未記載の可能性もあり型ぐらいの違いかも知れない。そういうことで、写真の植物はカンアオイ Asarum nipponicum F. Maekawa と考えている。

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