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2011/07/18

キクガシラコウモリの新生児確認(2011.7.16)

2009年8月8日に福知山市の旧海軍福知山航空基地関連施設においてキクガシラコウモリのコロニーを確認した件についてはこちらに書いた。そしてこの件については、舞鶴砲台や第三火薬廠で確認したキクガシラコウモリ生息地と併せて、2011年6月にNatureStudy誌上で共著で報告した(こちら)。この報文のなかで、福知山のコロニーについては繁殖哺育コロニーである可能性があるが再調査の必要があるとしたが、7月16日に再調査を行い新生児を確認してきた。

新生児の確認はコロニーへの影響を最小限にするため、20時頃、親が採餌に出掛け、コロニーに新生児だけが残されたタイミングを狙う。当日も20時ごろを狙って出かけたが、暗くて施設を見つけられず、結局20時15分ごろ施設に到着した。前回に比べて親コウモリが不在のためいやに静かである。おっと、ここのコロニーはいなくなってしまったのかとも思ったが懐中電灯で照らしてみると、いるいる。

Img_2822

その数47である。光をあてるとチーチー鳴く。

Img_2817

コウモリは普通1頭出産する。これだけ、うじゃうじゃ新生児がいて、自分のコドモが見分けられるのであろうか。ネコでは、出産が重なって他の新生児と自分の新生児が共存するときは、あえて自分のコドモを見分けようとしない節がある。他人のコドモだろうが自分のコドモだろうが関係なく哺育するばかりでなく、コドモのいないメスネコまで哺育に参加しようとする(たとえばこちら)。コウモリではこのあたりの事情はどうなのか大変に興味のあるところである。

というわけで、とりあえずこのコロニーが繁殖哺育コロニーであることがわかった。京都府下でキクガシラコウモリの繁殖哺育の確認は3例目である。

つまり、キクガシラコウモリの繁殖哺育の確認は過去に2例あるということなんだけれど、ひとつは前述の
  • 浦野信孝, 永井英司, 美濃部直久, 2011. 京都府の人工洞に生息するコウモリ. Nature Study, 57(6): 74-76.
にある京丹波町の例。で、もう一件なんだけれど、これは東洋蝙蝠研究所の「こうもりゼミ」というページの第45回に「京都府におけるキクガシラコウモリ出産コロニーの確認(橋本)」とあるのが根拠。これ以上の情報には辿り着けない。現時点ではどこかに報文が載ったのかどうかも定かではない。

ところで、施設からの帰り、山の斜面で滑ってメガネを落とした。暗くて見つからず。翌日探しに行ったが見つからなかった(T_T)。

さて、この施設は、2009年に中丹地域の歴史と文化を掘りおこす会(以下、掘りおこす会)主催で70人規模の見学会が実施された(両丹日日新聞の記事)。ここが、キクガシラコウモリの繁殖哺育地であることがわかってしまうと、コウモリ保護の立場から、ああいう見学会は考え直したほうがよい。掘りおこす会が2009年に作成したパンフレット「福知山に飛行場があった!」を見直していると、掘りおこす会の代表のOさんの電話番号が載っている。Oさんとは先日の川西航空機工場跡地見学会でタムシチンキの瓶を持って帰られた方である。このとき、ぎりぎり面識があったので電話してみた。Oさんとしても、飛行場関連施設については、もう、今後のイベントは考えていないとのことで、キクガシラコウモリの繁殖哺育地であるということの重要性にも理解を示していただき、私自身戦争遺跡そのものにも興味があることもこのブログを見て理解されているようで、今後とも連絡をとりあっていきましょうといい感じの話ができた。

さて、今度は、このことを単独で報告しよう。

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コメント

ツイッターから来ました。
最初動画を見た時は、見慣れないもので、親が後ろに居るのかと思ったのですが、親の留守だったんですね。一頭出産ですか……子供たちばっかり一カ所に集まってるということなんですね。
解説ありがとうございました。

おお、apj先生ようこそ!っていうか、ツイッターとかミクシイとかやってると、えっと、ブログのコメントってなんだったっけという感じです。

親がいるときに入ると親が子供を抱いて(足で掴んでだろう)逃げる光景がある意味感動的だと私のコウモリ先生がおっしゃっていました。

ネコの話も書きましたが、私は、親が自分の子供を見分けていないというほうに1票だなぁ。見分けられるんだろうか。

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