旧北吸浄水場 第一配水池
2013.7.7 北吸浄水場の第一、第二配水池の内部の一般公開があったので行ってきた。浄水場の概要、配水池の外観については、3月のこちらの記事を参照してほしい。
浄水場としての使用を取りやめをやめてから、昨秋初めての一般公開があり、今回は2回目の一般公開である。上屋は大正の建築であることを初めて知った。
配水池は石積みでできた、27.2m×20.25m×深さ5.6mのプールに水が淀むのを防ぐための5枚の煉瓦造の導水壁が設けられ、水が蛇行して流れるようになっている。
冒頭の写真は、導水壁の基部であるが、アーチ状構造が見られる。ここは後で埋められたものという見方もあるが、本日の「係の人」の話では同時施工ということであった。後述するように、アーチの内部も特徴的な「薄い煉瓦」が使われており納得できなくはない。しかし、アーチ状構造についての明確な答えはもらえなかった。
本体の石張りコンクリートと導水壁の煉瓦の接合部。
煉瓦は、イギリス積み。基本的な壁面の煉瓦の寸法は、222.3×106.2×49.7mm。長さと幅は並型規格と想われるが、厚さが突拍子もなく薄い(並型規格の厚さは53.0mm)。
これに匹敵する薄さの煉瓦は、遠く函館の旧金森洋物店(現:函館博物館郷土資料館)(216.3×104.0×49.7mm=文献1)しかない。この次に薄い煉瓦は、関西鉄道桜ノ宮線大川橋梁西側橋台の51.1mm(山西 昌子私信) であるから、飛び抜けて薄い煉瓦であることがわかる。
この施設では、タッパを稼がねばならないのになぜあえて薄い煉瓦を使ったのか謎だ。
文献1 :駒木定正, 2001. 煉瓦造の遺構および煉瓦の実測と成分分析による生産地推定に関する基礎的研究. 日本建築学会北海道支部研究報告集(74):345-352.
導水壁の端部は端正な石積み。
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