テンボの防空監視哨
コウモリの探索の下調べとして兵庫県美方郡香美町香住区沖浦の沖浦鉱山についてネット調べていると、香住区上計に防空監視哨跡があることがわかり[1]、こちらにも行ってみたくなった。
まずは花見峠を目指す。花見峠への峠道は幅員も広く軍道を思わせるほど立派な道だ。
峠には宝篋印塔がある。裏面には文政7年(1824年)建立とある。かなり、立派な宝篋印塔である。
遺構はあった。3間×2間ほどの木造建築物の基礎のみ。瓦の破片が見られることから瓦葺であったと見られる。骨材は砕石ではなく川石(玉石)であることから防空監視哨の遺構と見て間違いなかろう。遺留品としては無銘の緑ガラスの瓶があったが監視哨関係のものかどうかは不明。
頂上付近には素掘りの穴が2〜3個あるがこれは綾部の高射砲陣地にあるものに(ひと回り小さいが)似ている。高射砲があったとは言わないが、偽装砲(ま、ホウキの柄ww)くらいはあったのかも。
----2月9日附記------
この穴は炭焼き窯の可能性もある。今まで白炭窯しか意識していなかったが、黒炭ならこの形状でも焼けるのかなと。
遺構脇に三等三角点。これがなかなか見つからなかった。
テレビの共聴アンテナも「遺構」レベルの残骸が少なくとも3箇所で見られた。集落ごとに中継所があったのかも。 頂上付近、スカッとした眺望は木の枝に遮られる。峠道で見られる碍子
峠道では碍子が散見される。峠道で見つけた碍子には数字が入っていた。数字の入った碍子は初見。
上の写真は登るときに見つけた碍子群。このTKマークは以前夜久野鉱山で見たことがあると思ったけれと、夜久野鉱山のはTの字の横棒が直線。
それはともかく、最初右上の碍子をみて、「1925 6」と5と6の間にスペースがあるように見えて、1925年6月かなと思ったのだが、左下のは「19256」とまったくスペースがない。これは製造年月ではないのかなと思った次第。
ところが下山中に別のを見つけた。若干判読がビミョーだけれど、「1920 8」とも読める。 .
3枚目も同じく下山途中。これは、日本碍子(現在の日本ガイシ)のマーク入りだが、1929。日本碍子のマーキングは美しい。
帰ってネットで調べてみると、碍子のマーク付近の数字は、
- 1940 http://tokinokake.exblog.jp/20173980
- 1956 http://yama-machi.beblog.jp/sakumab/2015/02/post-8bc8.html
- 1975 http://furu109.hamazo.tv/e5821870.html
と、すべて1900代。となると、これはやはり製造年としか考えられない。
このようなことから、花見峠の峠道の碍子は1920年代製造と考えざるをえない。そうすると、テレビ中継所の電源供給用の碍子とは考えられない。峠道を通して電気を送っていたということになるのかな。
[1] 柴山ふるさと教育応援団編, 2012, 柴山ふるさとガイド, 香美町教育委員会
« コウモリ捕獲記録(装着標識番号)を公表します。 | トップページ | 沖浦鉱山跡のコキクガシラコウモリ »
「近代化遺産」カテゴリの記事
- 舞鶴博奕崎で拾った蓋付き瓶、開封の儀(2016.05.08)
- また、葦谷砲台(2016.03.13)
- 舞鶴市佐波賀のベーハ小屋(2016.03.13)
- 葦谷砲台で見つけたびん(2016.03.06)
- 葦谷砲台(2016.03.06)
「近代化遺産-北近畿」カテゴリの記事
- 舞鶴博奕崎で拾った蓋付き瓶、開封の儀(2016.05.08)
- また、葦谷砲台(2016.03.13)
- 舞鶴市佐波賀のベーハ小屋(2016.03.13)
- 葦谷砲台で見つけたびん(2016.03.06)
- 葦谷砲台(2016.03.06)
ルパン三世のマモーの正体。それはプロテリアル安来工場で開発されたSLD-MAGICという高性能特殊鋼と関係している。ゴエモンが最近グリーン新斬鉄剣と称してハイテン製のボディーの自動車をフルスピードでサムライよろしくバッサリ切り刻んで、またつまらぬものを斬ってしまったと定番のセリフ言いまくっているようだ。話をもとにもどそう、ものづくりの人工知能の解析などを通じて得た摩耗の正体は、リカバリー性も考慮された炭素結晶の競合モデル/CCSCモデルとして各学協会で講演されているようだ
投稿: 京都マルテンサイト鉄道 | 2023/11/07 14:03
マルクスの資本論に匹敵する革命の書ですな。
投稿: 大同ダイダイマルテンサイト | 2023/12/16 20:04
取締役会が能力オーバーフローなんだって?
投稿: 某人事部員 | 2024/01/17 08:38
材料物数学再武装は文系、理系の違いを超えた大局観を教えてくれるので、ChatGPTや生成AIの流行りがすごい今日の人工知能のアルゴリズム革命でも色あせないですよね。哲学、思想、経済、経営、文化への戸惑いを少なくしてくれる。
投稿: とことんやれ | 2024/02/12 02:05
トライボロジーにおけるストライベック線図の作成を関数接合論で説明している「材料物理数学再武装」のことですね。どこかでスゴ本として紹介してあって知りました。
投稿: なぜ国富論が「微分してゼロ」なのか | 2024/03/20 15:05
AI半導体大手のNVIDIAのCEOも「AIと日本の優れた製造業、ロボット技術を合わせれば、日本は新しい産業革命を起こせる」と述べ、日本が持つ可能性に対して強い期待感を表明している。このようなAI技術は地球環境問題だけでなく人口減少に伴う労働力不足の解決策ともなろう。今後ロボットは高度な多軸、多関節化がおこることが予想されるため日本人の経営者も指導力を発揮すべきでは。なるほど、「材料物理数学再武装」なかなか面白いですね。AI数学の理論基礎をトライボロジーにおけるストライベック線図にもとめ、そこでAIに使われるシグモイド関数の意義を明確化している。アルゴリズム教育として一種のグローバルスタンダード的な価値創造が見受けれれますね。
投稿: AIインストラクター | 2024/12/14 12:37