コテングコウモリの体表面温度の日変動
けさは
#402 にコテングコウモリ 4頭 (体表面温度22.9℃/地表面温度8.4℃)
#8 にコテングコウモリ1頭 (体表面温度20.2℃/地表面温度8.3℃)
で計5頭。 #402 の体表面温度は4頭まとめてのMAX値である。
しかし4頭詰め合わせ(笑)。ぎゅうぎゅうだ。これまでの最高は3頭入り(2015.8.8ほか)で、4頭入りは新記録。
#8 の1頭は、またもやカメラを取り出しているうちに逃げられ写真は撮れず。
というわけで、本日の成果品。
コテングコウモリの体温については、平川浩文,2014 に記述があり、これには「測定された体表面温度はほぼ気温と同じレベルにあった。このことから、ねぐら内のコウモリは確かに休眠状態にあって、体温を外気温に合わせた状態で休んでいたと推測された。」とある。
今回、兵庫県豊岡市但東町相田において、放射温度計を用いて人工ねぐらで休息中のコウモリの体表面温度と周辺の地表面温度をおよそ1時間おきに測定した。ただし、測定した人工ねぐらは、いまだかって見たことのない4頭が休息する人工ねぐらで、4頭雑居というかなり特殊なデータともいえるが、結果だけを見れば、平川の記述とは異なった結果が出ているとしかいいようがない。
なお、放射温度計はMAXモードで測定した。MAXモードとはトリガーを引いてスキャンしている間の最高温度が表示されるモードで、コウモリの鼻や唇、耳など温度の高い部位の温度が測定されているものと考えている。
もっとも、気温の代わりに地表面温度を測定しているのだが、いままでの経験から、気温と地表面温度には大きな違いはなさそうである。ま、この点については、100均で温度計を買ってぶら下げておけば参考になるなと思ったので次回からはそうするつもり。
このグラフの評価は大変に難しいが、少なくとも、最終の19:22の測定で体表面温度が跳ね上がっているのは、夜間の活動に備えて体温を上げ始めているものと思われ、これがつかめたことはある程度意義があったと考えている。
今回、体表面温度が高止まりしたのは、複数雑居のねぐらのために、隣接個体の寝返り(するのか(笑))などにより、十分、代謝レベルを落とせなかったという可能性が考えられる。
今後、単独で休息している個体のデータも取って考察したい。
平川浩文, 2014. コテングコウモリの夏から秋にかけてのねぐら利用. コウモリ通信, 21(1): 22-25.
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