あっと驚くタイトルだが、去年の4月にアイロン購入について書いたおかげで、時々、「アイロン あて方 カッターシャツ」という検索で、当ブログにお越しの方がいらっしゃるので、前々から温めていた題材である。この9ヶ月に培ったノウハウを伝授しよう。
さて、「独り暮しの男性のための」というタイトルには理由がある。手を抜いたアイロンがけとはなにかという提言である。アイロンは何の為にあてるのか、それは、周りの人(自分ではない)に、アイロンの当たっている服を着てますよというアピールのためである。それ以外の理由は一切ない。ならば、どこに注意すればいかにもアイロンが当たっているように見えるのか、どこの手を抜けば見た目に影響しないのか、そういうところを考えてアイロンがけをするのがコンセプトだ。
本論には入ろう。アイロンの使い方には2つの使い方がある。「プッシング」と「アイアニング」である。プッシングとは、アイロンを動かすときは力を抜くか浮かせて動かし、当てる場所に静止した形で押さえつけるあて方である。縫い目が集中しているところでは「よじれしわ」を防ぐためにプッシングを行う。
もう一つの、アイアニングは、いかにもアイロンを当てているというアイロンを滑らせてあてるあて方だ。アイアニングのときの大事な注意点は、アイロンを戻すときには浮かせて戻さないとしわができやすいと言う事である。アイロンの先は、だてにとがっているわけではない。とがっている方に向けて動かすとしわができにくいようになっているのである。カッターシャツでは身頃や背中などで盛大にアイアニングする。
まずは、襟。ここは、いかにもアイロンをあてていると思わせるためには必須の場所である。縫い目が集中しているのでプッシングを多用して、念入りに行おう。得に、襟の先のとんがったところは「よじれしわ」ができやすいのでプッシングで念入りに。
ヨーク。あっと驚く画像かもしれないが、これの出展は前に紹介した「アメリカンシングルライフ」という本である。ま、手を抜くためには省略可能なところ。突っ張る場所のしわは目立たない。ここも、プッシングで。
写真を撮らなかったが、このあと、私は前のボタン周りをプッシングで押さえておく。プッシングの場所を押さえてからアイアニングに移るのがアイロンがけの基本。
さて、カッターで最も難しい袖にいこう。まずは、カフス。ここもプッシングで。
袖本体は、まず、縫い目を手前にして、きっちりと折り曲げる。そして、縫い目をプッシングで押さえる。ここは、できるだけキッチリと押さえる習慣をつけると、折りぐせがついて、だんだんとアイロンがあてやすくなる。
さて、ここが最も極めつけのテクニックだ。先ほどの袖の縫い目のプッシングの際に、アイロンを重しとして利用し、反対の手で向こう側を引っ張ってやり、全体の皺をとっておく。このテクニックを身につければ、カッターシャツは制したといってよい。ここに関わらず、アイロンあてではアイロンを持っていないほうの手(右利きの人では左手)をいかに上手く動かすかが決めてだ。
袖本体の、アイアニング。先ほどの下準備のあと、縫い目から向こう側へ一方通行で動かす。ここは思いきりが大事。下準備で充分に引っ張ってあれば、下側に生地に皺がよる心配はほとんどない。力強く、男らしく、一気に上下2枚の生地にアイロンがかかるように。向こう側の折り目は、カッターシャツで一番大事な折り目なのでしっかりとつけてやる。前回の折り目が消えるくらいしっかりと当ててやれば、折り目が二重になる心配もない。
このあと、下側の面に皺が入っていないかを確認し、もし入っているようなら、形が崩れないように慎重に裏返して、皺をとってやる。なお、どちらを上面にするかは、あまり気にしなくてよいと思う。また、袖口の切れ込みのまわりはあまり気にしなくてもよい。あまり目立たないところなので。
袖がすめば終わったようなもの。あとは、身頃と背中のアイアニングを楽しもう。右側の身頃からスタートし、右身頃、背中、左身頃とやるのが私の手法。ちなみに私はご覧のとおり左利きなので、右利きの人は逆のほうがやりやすいかも。
背中のタックは、あまに気にせずに、その部分はオミットしてそれ以外の場所のみあててやれば充分である。背中は、一番突っ張るところだろうから、このあたりは適当でよい。
フィニッシュは、胸のポケット。ここは、いかにもアイロンをあてていますというアピールの場所なので、プッシング気味でキッチリとあてよう。私が左身頃を最後にするのは、ポケットでフィニッシュとするためでもある。
さて、まとめると、カッターシャツがいかにもアイロンが当たっているように見えるポイントは、襟、カフス、袖の折り目、胸ポケットである。ここ以外は、適当にあてておけば良いし、ちょっと小さめの突っ張るようなカッターであればあてる意味もない。
できるだけ手を抜いて、しかも、良くアイロンのかかったシャツに見えるようにアイロンをあてよう。
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